藤谷司法書士事務所|大阪

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遺 言



 遺 言 と は …

遺言にどのようなイメージを持たれてるでしょうか。

おそらく、@お金持ちの人が、A自分の死を意識するようになってから、B財産争いを避けるために作るものだと認識されている人がかなりいらっしゃると思います。

しかし、本来は、遺言とは、「自分が死んだあとに、家族などの残された人たちへのメッセージ」です。
この機会に、自分が死んだあとのメッセージを考えてみてはいかがでしょうか。

遺言っていつ書いたらいいの?

先ほども触れましたが、「自分の死を意識」するようになってから書くものだと思われてる方が多いことでしょう。

しかし、遺言はあくまで遺言者による最後の「意思表示」ですので、認知症の症状が現れるなど「意思の確認」ができない状態では、遺言の作成はできません。

また、縁起でもない話ですが、最近、物騒なニュースが多く、自分がいつ事故や事件に巻き込まれるかわからない世の中になっています。
遺言を遺すつもりでいたが、放っておいているうちに、病気や事故・事件で亡くなったが故に、後々相続人間でトラブルになるケースも多々あります。

つまり、遺言を遺そうと思った「今」、元気な状態である「今」こそ、遺言書を書くことをお勧めします。

特に遺言を書くべきケース

遺言とは、「自分が死んだあとに、家族などの残された人たちへのメッセージ」とはいうものの、当然に、財産争いを避けるために遺言書を作るといった側面はあります。
そこで、遺言を遺しておかないと、争いが起こり得るケースを挙げておきます。

夫婦の間に子どもがいない方、または、独身の方
  遺言がないと、兄弟姉妹が遺産分割協議に加わることになり、揉めることが多いです。

相続人でない人に財産を遺したい場合
  遺言がないと、内縁の夫婦や、面倒を見てくれた長男の嫁などは、相続財産をもらえません。

離婚、再婚をしている方
  遺言がないと、前妻(前夫)との間の子ども遺産分割協議に加わることになり、揉めることが多いです。

相続人の中に行方不明者がいる場合
  遺産分割協議は相続人全員でする必要があるので、遺言がないと、手続が煩雑になります。

会社の経営をされている方・株式会社の大株主の方
  自己の財産はもちろん、事業承継も併せて検討されることをお勧めいたします。

                                                 


 遺 言 の 種 類

遺言には、一般的に、@自筆証書遺言、A公正証書遺言、B秘密証書遺言、の3種類があります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言者が、全文・日付・氏名を自分の手で書き、印を押すことが求められる遺言です。

つまり、ペンや筆など筆記具を用いて、必ず自分で書かなければなりません。
     ワープロ・パソコンによる作成、音声や映像による遺言は認められません。

そして、不備があった場合、遺言が無効となります。
     日付や署名・捺印が漏れると無効となります(印鑑は実印でなくてもよいです)。
     財産の特定の仕方も不十分だと、せっかく遺言を書き遺しても争いになることもあります。

さらに、次のようなデメリットもあります。
     遺言書を紛失したり、自分が死んだ後に見つけてもらえないこともあります。
     他人に遺言内容を偽造される可能性があります。
     遺言者本人が書いたものかどうかをめぐり争いになることもあります。
     遺言者死亡後に、家庭裁判所の「検認」という手続が必要となります。

自筆証書遺言は、いつでもどこでも書けるという手軽さはありますが、上記のようなデメリットもあります。
そこで、このようなデメリットを回避する方法として、公証証書遺言というものがあり、当事務所では、この方法を推奨しています。

なお、平成31年1月13日から、全文の自書を要求している現行の自筆証書遺言の方式を緩和し、自筆証書遺言に添付する財産目録については自書でなくてもよくなります。ただし、財産目録の各頁に署名押印することを要します。
http://m-fujitani.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/post-d2a3.html

また、令和2年7月10日からは、法務局における自筆証書遺言書保管制度も始まりました。
http://m-fujitani.cocolog-nifty.com/blog/2020/07/post-e2a0b6.html


公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証役場で公証人に書いてもらい、2人の証人が立ち会う遺言です。
    但し、未成年者や相続の利害関係者は証人になれません。
    当事務所にご依頼いただいた場合は、最低1名は当事務所で証人をさせていただきます。

公正証書遺言の手続の流れは、次のとおりです。
  @ 遺言者と遺言内容の打ち合わせをいたします。
  A 当事務所より、公証人に@の内容を伝え、公証人が遺言書の準備をします。
  B 証人2人とともに、公正役場へ行きます。
    遺言者が公証役場に行くのが困難な場合は、公証人に出張してもらうこともできます。
  C 公証人が遺言者、証人2人に読み聞かせて、遺言の内容を確認します。
  D 公証人、遺言者、証人2人の全員が署名・捺印して、完了します。

秘密証書遺言

それから、あまり知られていませんが、同じく公証役場で手続する遺言として、自分で書き遺した遺言を封印し、公証人に証明してもらう「秘密証書遺言」というのがあります。

秘密証書遺言の手続の流れは、次のとおりです。
  @遺言証書を作成します。
     署名・押印を除いて、自筆のほか、ワープロ・パソコンによる作成や代筆でも結構です。
  A遺言者が証書に署名・捺印し封筒に入れ、証書に押した印鑑で封印します。
  B公証役場にて、公証人と証人2人の前で証書を提出します。
 
つまり、公証人や証人、第三者に内容が漏れない遺言を作成することができます。
(但し、自筆証書遺言と同じく内容が開封されるまで不明であるため、文言の確認が出来ないため、その効力が否定される可能性もあります。)